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登場人(神)物設定

 普段キャラ表を作ることはあまりないのですが、今回は編集の方やイラストレーターさんへの説明のため、どんな人物になるのかを事前に書いてありました。せっかくなのでそれを公開してみます。

 最初のキャラ名から始まる文は、本文執筆前に作った編集さんへの説明用キャラ紹介。
 続く【外見用キャラ設定】は、挿絵などの参考になるよう、外見的な部分を書き出してみたものです。どちらもネタバレになる部分は省略。
 《補足》は、本文を書き終わった現在のわたしからのコメントです。
※以下は細かい補足や自己ツッコミになります。



高原澄香 [主人公/一人称「私」] ※WEB版では「あたし」でした。書籍化にあたって地味に変更。
「もーやだ、絶対やだ! あんたたちを追い出して、平和な生活に戻ってやる!」
 ごく平凡に現代を生きる大学生。だが祖母の死をきっかけに、やおよろずの神々が目に見えるようになってしまう。怖がりなので、オカルトやホラーに関するものが苦手。神々についても初めのうちは怖れているが、いったん慣れてしまうと、みもふたもないツッコミを呼吸のごとく吐くようになる。物事は疑ってかかるたちで、家神の言うことにはいちいち反発する。
 目に見える神々を祖母にならって「神さん」と呼び、文句を言いながらも徐々に親しむ。
 親元を離れて、ワンルームで一人暮らし中。コンビニでアルバイトをしている。

【外見用キャラ設定】
 少しだけ気が強め。ポジティブだが心霊関係などは怖く、強がりながらも震えてしまう。そういった場合を除いては、何でもかんでも自力でガンガン進むタイプ。
 中肉中背だが、どちらかというと骨格がしっかりしている方で、華奢からはほど遠い。
 髪の長さは、長めのセミロング、もしくは短めのロング。バイト中など作業時はまとめ髪にしています。元は黒髪の設定でしたが、他のキャラクターが黒髪揃いなことと、現代日本の普遍的女子大生ということで、明るすぎない程度に茶髪の方が「らしい」かなと。
 ギャル系に行き過ぎないけれど大人しすぎるわけでもなく、真面目に学問に取り組んでいる様子もない。普遍的要素を持った女の子といった感じで。
※しかし、本当に普遍的になっているのかどうかは微妙なところです。
 少しだけとか言いながら、イースト・プレス社のコピーでは「勝気な女の子と〜」と書かれていました。つまり結果としてはだいぶ気の強いことになってるということでよろしいでしょうか。
 それと、髪はより元気っぽさが出るように、ラフ段階で少し短くなりました。というわけで結果的には多分短めのセミロング。


《補足》
 WEB版では巻き込まれキャラだった澄香ですが、書き下ろし分からは行動力がアップして、ぐっと主人公らしくなっています。へいじつやの主人公の特徴は「山場からはガンガン動いてみんなのハートをがっつり掴むぜ!」という天然タラシなわけですが、この澄香もそれにもれず額に「攻」と書いてあげたい感じです。一応ジャンルは少女小説のはずなのに主人公総攻って……。(ただの比喩なので、この場合の攻受に腐女子的な意味はないですよ)



家神 [一人称「わし」/若干老人語まじり]
「わしはのう、長い間ここにいて田舎にはもう飽きておるのだ。ここはひとつ、逃避行と洒落込もうじゃないか」
 澄香の母方の祖母の家に祀られていた祠の神。外見は二十そこそこの青年だが、口調や態度が年寄りじみているため、雰囲気は老成している。いつも和装だが物々しいものではなく、普段着。一日一度のお供え(日本酒+α)をこよなく楽しみにしている。
 澄香をあらゆることから護るのを役目としているが、実際に目立った働きはせず、いつも文句を言われている。民俗学に詳しく、次々と現れる神々についての解説を受け持つ。だがその内容は、基本を踏まえたうえで超解釈したトンデモ理論なことが多い。

【外見用キャラ設定】
※家神の設定文はネタバレのため大幅カットしました。
 外見は基本的には二十代前半ですが、その表情や内面に蓄えてきた含蓄から、どことなく老人ぽくも見えます。口調は老人しゃべりと見せかけて、広島弁をベースにした田舎方言です。
 澄香に言わせると「認めたくないけど、いい男」だそうです。顔の造作が美形というわけではなく、振る舞いや懐の深さ、落ちついた態度がそう見せる感じで。

《補足》
 加筆修正で外見や雰囲気の描写を一番書き加えられた人。書き下ろしで一番強くてアホな人。いろんな意味で最強です。多分、書籍版を読んで一番ツッコミたくて仕方がないキャラクターだと思います。ページに向かって手刀を振り下ろす感じに。澄香よりも強いのは唯一家神だけかもしれない。

 口調はその後「普段は標準語+老人語尾で、時々方言が出る」に変更しました。文字上の変化はありませんが、イントネーションが違うんだきっと。時々出る方言のベースは広島弁ですが、あくまで物語は「どこでもない架空の地方」が舞台なので、どっぷり広島というわけではないです。なんとなーく中国地方風味くらい。書いてる人間が下手にネイティブなもんで、リアルにしすぎると他地方の人には読みづらくなりそうだし。



ミチカタ(満潟の道祖神) [一人称「オイラ」]
「ハイハイハイこんばんはー、オイラとお話しするお時間ですよ。どうしたの高原の。今日はふたりでお出かけかな?」
 澄香が暮らす地域を護る道祖神。目にまぶしい黄色のパーカーを着ている。深く被ったフードのおかげで、その顔はいつも半分しかわからない。「呼ばれて飛び出て道祖神ー!」が決まり文句で、ことあるごとに顔を出してその場を盛り上げようとする。
 明るく軽く、どこかチャラチャラとした若者の姿をしている。夫婦和合の神と言いながらも、自らはかわいい女の子を求めてナンパしたがる毎日。
 フットワークが軽く、持ち場を離れてついてくることも多い。空も飛べる。
 「ミチカタ」は澄香がつけた愛称。家神とは「高原の」「満潟の」と呼び合う。

【外見用キャラ設定】
 いつもふわふわ飛び回っていて、幽霊のごとく体重を感じません。が、足はあります。
 服装は普通の現代の若者で、上は常に黄色のパーカー。そのフードをすっぽりと被り、顔立ちははっきりとは確認できません。ただ、口元やちらちらのぞく右目から、いつも明るく笑っているのがわかります。
 年齢は十代後半〜二十そこそこ。実年齢はかなりになりますが、家神と違って性格や態度に老練さはありません。パーカーのポケット(中央にあって、両側から手を入れられるタイプ)に両手を突っ込んでいるのが基本姿勢。チャラチャラしたお調子者ですが、憎めないバカといった感じ。髪はいくらか茶色でもいいかも?(あまり見えなさそうですが)

《補足》
 今回、挿絵がついたことで一番得をしたであろうキャラ。本文だけだとただのおばかですが、グラフィックが格好いいよかなり助けられてるよお前……。よかったねえ、とお母さんはヨヨヨと涙しておきます。本文とイメージが違うというわけではなくて、継承しつつ格段にパワーアップしておるのだ。
 書き下ろしの《道祖神の段》ではメイン扱いなので、色々と深く明らかになります。



ノロ君(野呂淳平) [一人称「僕」] ※名前確定しました。
「……挨拶も、ろくに言えないし……人と話すの、嫌いだし……」
 澄香が勤めているアルバイト先の後輩。同い年だが、澄香の方が数ヶ月早く入ったため、はじめは敬語を貫いている。
 大学受験に失敗し、引きこもりを経てフリーターに。まっとうな人生を貫いている(と一方的に決めつけている)澄香に対してあからさまなひがみがあり、いつも卑屈そうにしている。「僕なんてどうせ」から始まる、話しかけとも独り言ともつかないような呟きが口ぐせ。
 オカルトマニアの節があり、バイト先にわら人形を持ってきて、周囲の人間をわざと遠ざけたりしている。心霊やカルト宗教に詳しいが、実際に神などが見えたりはしない。

【外見用キャラ設定】
 澄香とは何もかも正反対で、対照的な外見。前髪など髪の毛は全体的にやや長め。だが長髪というわけではなく、散髪屋に行くのがおっくうだったり、顔をはっきりと見せるのが恥ずかしいという理由から、中途半端に伸ばしている感じです。基本的に外見への執着はなく、鏡を見るのが嫌い。
 体格は貧弱で猫背、いつもうっすらうつむきがちで、どんよりした負のオーラをまとっています。ただし、オカルトの話題になったり、「駄目だなあ高原さんは」と優位に立ったときは、憎たらしいほど活き活きと輝きます。頬がばら色に染まる勢いで。

《補足》
 書下ろしから出てくる新レギュラー。仕事場でもわら人形を手放さないのが彼のポリシー。人としてどうかと思うところが色々とありますが、根はいい子なんですよとフォローしとこう。
 お気に入りかそうでないか、読んだ人によって反応が大きく分かれた人です。いや、まだ二人しか事例がないんですが、某人はお気に入りで、某人は「ありえない」だったという。ありえないとか言いつつ、別の方向から可愛がっていたので全国的にも大丈夫なはず。それも愛、これも愛。


【その他、こんな指定入れてました】
・目の色は全員日本人なので、基本的には黒色です。
・身長は 家神>ミチカタ・ノロ君>澄香
 ミチカタとノロ君のどちらが高いかは未設定です。大差はなさそう。


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