人喰い魚が人になる / へいじつや



登場人物紹介
※()内は外見年齢です。(人間の場合は実年齢)



《レギュラー》

カリアラ(19)
 どこまでもまっすぐに突き進む元ピラニア。
 陸にさらわれたシラを追って、ついでに自分も人間の体(仮)にしてもらったものの、頭の中身は魚なので色々と大変なのでした。それでもがんばって問題を解決していき、第二部ではなんだか頭が良くなってきて眼鏡までかける始末。おまけに変な能力に目覚めるは、恋もするはで成長に比例してどんどん大変なことになっています。でもがんばる。

サフィギシル(21)
 現時点で世界一の腕を持つ魔術技師であり、カリアラとシラを養う主夫 兼 家主。第一部では引きこもりだったが第二部ではちょっと活動的に。だけど命を狙われたり、誘拐されたりとろくな目に遭ってません。大変な人生だけど、料理ができてカリアラが構ってくれていれば満足らしい。その代わり料理ができなくてカリアラに無視されると情緒不安定になる。
 外見は大人びているが性格はまるきり子供。故ビジス・ガートンは師であり養父。

シラ(24)
 どこまでもカリアラを溺愛し続ける元人魚。陸上に誘拐されて、いろいろとあった末に人間の体になった。
 大変な美女だが、本人はカリアラさえいればいいらしい。しかも単なる愛玩動物として愛でていた第一部とは違い、第二部では感情に微妙な変化が現れてどうしようと混乱中。
 人間はあまり好きではなかったが、今ではピィスと仲がいい。サフィギシルをからかうことに癒しを感じる今日この頃です。

ピィス(14)
 小さな体に大きな声で動き回る元気な子。あちこちで問題を起こすカリアラの面倒を見てやっている。魔術技師見習いであり、街の一般技師たちとも仲がよい。時々激しい行動を取るが、これでも作中ではかなり常識がある方。
 実父であるペシフィロと二人で暮らしている。が、最近は家庭の事情で色々と面倒なことになりそうだ。



《準レギュラー》

ペシフィロ(36)
 のんびりと穏やかに、いろんな事件を引き起こすピィスの父。本人に悪気はないが、割とうかつな行動で周りに迷惑をかけている。故ビジス・ガートンの親友であり、ジーナとは昔からよくコンビを組まされた仲。生まれつき大量の魔力を保持する“変色者”で、魔術の腕はかなりいい。現在王室専属の魔術師 兼 召喚師 兼 教育係として忙しい日々を送っている。緑色。

ジーナ(27)[第2部から登場]
 口と同時にすぐに手が出る容赦のないお姉さん。魔術技師協会の協会員で、ビジス・サフィギシル父子を専属で担当していた。世間的にはビジスの元愛人とされている。幼少時のサフィギシルをしばき倒してきたために、彼にとっては恐怖対象。行動の割には几帳面で、細かい計測や情報の整理が大好き。男運がない。悪いのを通りこして、ない。

アリス(23)[第2部から登場]
 魔術技師協会に所属する歌って踊れる心理学者。「めんどくさい」が口癖で、ろくな仕事をしないためにジーナの部署へと回された。暇さえあれば次々とホラを吹くのが特徴。いつも眠たそうな顔をしているが、それ以外の表情を滅多に見せないため、ある意味では無表情とも言える。最近はハクトルを精神的にじわじわと苛めることに凝っている。

ハクトル(25)[第2部中盤から登場]
 巨大な髪を揺らしつつ全身で騒がしい音を鳴らす、自称「流浪の音楽家」。普段は行商の旅に出ているため、アーレルに戻るのは年四回。ジーナの弟で結構な姉崇拝っぷりだが、本人には迷惑がられている。節操のない女好きな上に取り返しのつかない変態。こう見えて内面はかなりナイーブ。

なな(31)[第2部中盤から登場]
 日々ピィスの安全をお守りしている隠密。ニンジャじゃないよ使影(しえい)だよ。本人としてはピィスを護ろうとしているのだが、極度の対人恐怖症のため、結果的にはピィスに護られることもしばしば。小刻みに震えながら青ざめるので、あまりじっと見ないでやってください。まっすぐに見つめてくるうえ、似顔絵まで描き始めるカリアラは天敵。



《その他》

ビジス・ガートン(故人/享年89)
 生神だの死神だのクソジジイだのと呼ばれ続けた偉大な天才。彼の遺したものは各方面にさまざまな影響を与えている。いまだ多くの謎を秘め、彼についての研究がジャンルとして確立していて図書館には「ビジス・ガートン研究」の棚があるほど。一部の地域では戦いの神として祀られているらしい。

コウエン(53)
 魔術技師の道具専門店「ナクニナ堂」の店主であり、ジーナとハクトルの父。妻は離縁して外国に行ってしまい、子どもたちも家を出たため、現在は寂しい一人暮らし。……かと思いきや、自作の犬型細工や勝手に寄り付く動物たち、何度追い払っても遊びに来る魔術技師たちに囲まれて、目下無意味なモテを発揮中。態度の悪さでは隠しきれない面倒見のよさがにじみ出てしまうらしい。

ポートラード伯爵(54)[第2部中盤から登場]
 いつもうきうき楽しそうな、前衛詩人 兼 歴史学者。基本的にはどちらも趣味。
 血縁上はピィスの伯父だが、養子縁組をしているので法律上はピィスの「父」になっている。だがそれで特に権利を主張するわけでもなく、実の親子が一緒にいるのが一番だろうと、ピィスをペシフィロの元に預けている。
 不思議なもの、魔法的なものが大好きで、魔術師であるペシフィロを子どものように可愛がっている。ペシフィロには迷惑がられているのを知っていてもなお、自分の感性に忠実に生きる自由人。基本的に悪気はない。
 ビジス・ガートンの元教え子で、世界の秘密について部外者ながらに見識がある。

シグマ(?)[第2部中盤から登場]
 ポートラード家につかえる使影の頭首。髪の毛からまつげに至るまで、全身の毛髪を剃り落としている。使影の中で唯一名前を持つことと、姿を現すことを許された存在。ななは部下であり、後継者となる予定。
 別作品「過去見の塔」(現在公開休止中)に出てきたシグマとは別の人。こっちは「せんぱーい」とか「そんなの無理っすよー」とか言ったりしない。ややこしいけど、「人喰い魚が人になる」に出てくるシグマはこの人だけなので、気持ちを切り替えてご覧ください。

ソーマ・フイエ会長(60代)[第2部中盤から登場]
 影が薄いことを最大の特徴としている、魔術技師協会の会長。ジーナの直属の上司でもある。
 技師協会立ち上げからのパートナーであるはずのオルド副会長には完全になめられていて、仕事上の実権はほぼ副会長の手の上にある。困ったなあ。だけど仕事のやり方もよくわからないし、後はまかせて僕は庭の手入れしてまーす。というダメな大人。
 人生に絶望するあまりに死にたがりで、よく窓から飛び降りようとしている。

オルド副会長(50代)[第2部中盤から登場]
 絵に描いたような腹黒さを隠しもしない、魔術技師協会の副会長。実質的には彼が会長。
 ビジス・ガートンに恨みを持ち、彼の弟子であるサフィギシルをも憎んでいる。そのため、何かにつけてカリアラたちの妨害をする。

リドー(28)
 第一部ではただのヒラ、第二部では(あだ名ではなく本当の)隊長になった街部警備担当兵士。だが部下は三人、活動は魔術技師とその作品の取り締まりに限られるなど、正直な話左遷のような。同年代の友達はほとんどいないが、子供たちからは人気があり「お子さま警備隊」の隊長として日々活躍中。子守とかで。

五つ子(14)
 とうとうひとまとめにされてしまった兄妹戦隊。第一部では活躍したものの、第二部での出番は危うい。各人の名前が一致しないとお困りのあなた、大丈夫です。わからなくても特に支障はありませんから。


人喰い魚が人になる / へいじつや