あとがき代わりに20の質問
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1.この小説を書き終えた、今現在の心境を一言で簡潔に言い表してください。
 お、終わった…………!(やや疑問形)


2.この小説を書く上で、一番書きやすかったところはどこですか?
 どこぞの老人が出張るシーンと道具屋店主が出張るシーン。
 それとカリアラが天然タラシフェロモンを全開にしている時。
 結局のところ自分が好きな箇所ばかりですな。


3.この小説を書く上で、一番苦労したところはどこですか?
 サフィギシルとシラを最後まで苦悩させ続けるのが大変でした。
 作者の根がポジティブなので暗い考えが長く続けられないのと、あとサフィの悩んでいる根本的な原因がエピローグまで出せないので、あれだけ根暗に悩みまくってる説得力が出ねぇ〜! というので苦労しました。最後の最後まで。


4.ボツにしたタイトル、仮タイトル、執筆中のコードネームなどありましたら教えてください。
 設定がずいぶん違う初期プロットではコードネーム「魚介類小説」もしくは「ギョカ(仮)」。カリアラの名前が確定していなかったので、当時はずっと「魚介類」と呼んでいました。もう何年も前のことです。
 あとは童話パロディの要素が濃かった時代は「人魚姫作成基本法」、阿呆なところでは「馬鹿は何かを救う」というのもありました。何を救わせるつもりだ。


5.タイトルの由来(意味)は何ですか?
 そのまんまです。ただ一時期は「人になる。」というタイトルにしようかとも思っていました。人間を目指すのは人喰い魚に限らないということで。ベキーとかね。(えええ)


6.この小説を書き始めるきっかけはなんでしたか?
 スタートする一番のきっかけは、「ハリーポッターとアズカバンの囚人」が面白かったから。ああいう風に伏線を貼りまくりたい! そしてドーンと回収したい! やっぱ長編を書きたいよ!! と心底思ってこういうことに。短編では出来ない伏線貼りが無性にやりたくなったのです。ああ、伏線大好き。

 あと同小説のクィディッチ最終戦を読んでいるとき、どっぷりとのめりこんでいて実況の台詞が直に耳に響くという体験をしたのですよ。文字として読んでいる感覚がすっぽりと抜けて、本当にダイレクトに声として聞こえた気がしたの。その感覚に感動して、ぜひこういう風に人をのめりこませる話が書きたい! と思ったのです。実現している気がしないのですがそれはそれだ。


7.この小説を書く上で、何か影響を受けたもの(他の作品や、他媒体の創作物など)はありますか?
 細かなことでは無意識にいろいろありますが、きっぱりと意識して真似したのが一つだけ。
 「蒼穹の昴」(浅田次郎)で西太后が急に女の人らしく愚痴を言って騒ぎ出すのが可愛くて可愛くて。その影響を受けてシラの本心丸出しシーンは予定よりも三割増しで弾けっぷりが激しくなりました。もともとああなる予定ではあったのですが、そこまで弾ける予定ではなかったのですよ。


8.これがあったから、この話がかけました!(これがなかったら、かけませんでした!)というものはありますか。
 ベタベタですけどみなさまの感想。これがなかったら本当に最後まで書けたかどうか。


9.ボツにしたストーリー展開を教えてください。
 展開が今の形に定まってからは変化しませんでしたが、初期の初期はペシフィロがラスボスでした。わざと街を襲ったり、それを止めようとするピィスとの親子対決があったり。普段はのんびりしているが、仕事の時は冷酷というキャラクターだった初期ペシフ。……今はその面影もありませんな。


10.プロット(思惑)どおりに進みましたか?
 はい。こんなにもプロット通りに書けた話は生まれて初めてです。
 まあ細かいところの変更は毎回ありましたが。


11.これが書きたくてこの話を書きました、という部分はどういうものですか?
 第三話「ビジス・ガートン」ラストの色んなことが次々と判明するあたり。前半はとにかくそこが書きたくてガンガン更新してました。後半はカリアラの過去語りやら街でのあれこれやら最終話のサフィギシルへの呼びかけやら、とにかくカリアラが。カリアラが書きたかったのです。


12.一番こだわったところはどこですか?
 ビジスは老人言葉に見せかけて、実はそこまでじじいくさい喋りではない(「〜じゃ」とかは言わせない)とか、あとはカリアラの行動原理の野生らしさなど。


13.一番好きなキャラクターと、一番嫌いなキャラクターを、理由つきで教えてください。
 一番好きは……全員もれなく好きですが、やはりここはカリアラで。理由はなんだろう、カリアラが好きだと思ってくれている方のものとほぼ同じなのではないかと。
 嫌いなキャラクターは、いないことはいないんですが、あえて言うなら国王。まあ仕方がないんだけど、やっぱり頭が良くて迷惑をかけないキャラの方が書いていて気が楽なので。


14.実際にいたら嬉しいキャラクターと、実際にいたら厭なキャラクターを教えてください。
 いたら嬉しい……い、いないかもしれない。ああ、でもビジスがいたらこの不安定な世界情勢でも安心して生活できそうだ。いや、でも嬉々として戦争しかけそうで怖いか。結果的には勝つけど捨て駒も出そうだし。というわけである意味でどちらともビジス・ガートン。(結論)


15.この人にはこの言葉を言わせたかった!という台詞をキャラ別にどうぞ(実際に言わせていなくてもOK)。
カリアラはやはり「しあわせだ!」(次点はモノローグですが《おれは群れのなかにいる。》)
シラは「よくできました!!」
サフィは「俺がお前を人間にしてやる。何年かかっても、絶対にだ!」
ビジスは「なんだ、忘れたのか?」「お前が願ったからじゃないか」のくだり。
ピィスは地味ですが「友達がいるんだ!」というところ。サフィのことを迷いなく友達だと言い切れるのがこの子のいいところだと思うのです。サポート役ばっかりだから抜粋台詞もこんなんですまんのう。


16.この小説の登場人物たちを使って、別の話を書く予定はありますか?
 あります。続編と番外編と、あと「過去見の塔」続編でも少々。書きまくりだ。


17.この小説の中でこの部分が一番会心の出来なのです! というシーン(か台詞)を抜粋してください。
 人の群れ発生シーンと、カリアラが猫から出てきてそれを見るあたり。
 ……って長すぎて抜粋できないや。


18.この小説で取り上げたテーマやアイデアに、もう一度別の形で挑戦してみたいですか?
 どうでしょう。続編では少し違う形の結論が出るかもしれません。


19.何か、これだけはしておきたい言い訳というのはありますか?(笑)
 カリアラは時々頭が良くなるんじゃなくて、元から結構賢いんですよ! 都合のいいときだけ知能が高くなるわけじゃないんですよ!!(笑)
 さりげなく聡いのです奴は。このへんは続編でフォローしたいなあ。


20.最後に一言どうぞ!
 最後まで読んでくださってどうもありがとうございました!

「人喰い魚が人になる」